帰り道に聴いた音楽2

Paul Weller:Frightened


夜、雨の中響くポール・ウェラーの声。
この歌には、いろいろな思い出がある。ばあちゃんが死んでしまった日、実家に帰る夜道でこの歌が響いていた。寂しさとか感謝とか、なにか色々な気持ちをゆっくりと、ほんとうにゆっくりと染み出してくれるような彼の歌声。
そういえば、自分の結婚式でも、この歌をかけたっけ。冒頭にかかるピアノの音、とてもしんみりしてくる。


人の死、そしてお祝い事。対極にあるのに、この曲で思い出される情景。…なんだろう、この歌には、自分の周りにいる人への感謝とか、故郷への想いとか、そういうものを呼び起こさせるものがあるのだろう。自分の将来について悲観的になり、不安ばかり募るような時にも、この歌を良く聴いていたような気がする。


心の素の部分を、すなおに表面に出していく必要がある時、自然と自分はこの曲を聴いていたのかも知れない。そうやって、これからもずっとこの歌を聴き続けていくと思う。


先のことは分からない。でも、ひとつ思っていることがある。もし自分が死んでしまい、葬式が開かれるようなことがあったら、その席でこの歌をかけたい。自分が常に心の中にしまっている、色々なものに対する“恐怖”と、自分なりに向き合うきっかけを与えてくれた歌だから。