ロンド制覇はベルギーチャンピオン

fuga_chi2008-04-09

いやあ、ここ数年で最も美しいゴールシーンだった。ベルギーチャンピオンジャージが誇らしげに勝利を祝いながらゴールするシーン、本当に素晴らしかった。


完全に、クイックステップのレースだった。昨年春のクラシックで惨敗したルフェーブル監督の面目躍如と言ったところだろうか。後続集団が仮に先行するデボルデルに追いついたとしても、スプリントで圧倒的に分があるのはボーネン。バッランやポッツァート、ナイエンスやフレチャらもチャンスが掴めそうな位置取りをしてはいたが、クイックステップの王様ボーネンとそれを支える強力なチャンピオンのタッグは盤石そのものだった、という結果だろうか。

それにしても、最後の難所ボスベルグをあれほどフラフラに、一杯一杯に登る先頭の選手を見たのっていつ以来だろうか。ラボバンクの新鋭ラングヴェルトに追いつかれるんじゃないか、とハラハラしてしまったし。ハラハラ感が物語るように、今回のロンドはタイム差が本当にシビアで凄く面白かった。「逃げ切る」「追いつく」のパワーバランスが非所に絶妙なところで行ったり来たりしていたレースだったと思う。


残り10kmくらいでソロで飛び出した印象の残っている05年のボーネンの勝利も相当美しかったけど、今回の勝者デボルデルはそのずーっと前からアタックをし、集団の先頭を引き、とにかく前で前での精神で闘っていた、真のファイターだったという観点から、ここ数年で最も美しいロンドでの勝利だったのでは、と思う。そしてその勝利を格別にするのは、他でもないベルギーチャンピオンジャージ。素晴らしすぎる。06年、アルカンシェルでゴールして2連覇を達成したボーネンも凄いけど、ベルギーチャンピオンジャージでのゴールってのもやっぱり凄い。
今回のデボルデルの走りには、先日インフルエンザにかかった時時間をもてあましたので全部読み返した「シャカリキ!」に出てくるロードレースの格言のひとつ、「先頭を行くものがいつも正しい」を思い出させられた自分です。本当に、素晴らしい勝利でした。


写真は06年にジャパンカップで来日したディスカバリーチャンネル時代のデボルデルのポストカード(本人にサインをしてもらったもの)。デボルデルは当時の来日メンバーの中でも異色で、あまりホテルから出歩く感じではなく一匹狼感が漂っていた。フミ、グセフ、ロウ、ノバルが4人で餃子を食べに行っているのは見かけたんだけれど、そこにデボルデルはいなかったんだよなあ。なんだか不思議な、自分の世界を持っている選手なんだろうなあと勝手に想像してみたり…