さくらん

凄い映像美にこだわった感のある作品だった。うちの古びたテレビからも、作品中の沢山の色彩美が堪能出来ました。ポイントポイントで写される、金魚の色がまた綺麗で。特に、街の入り口にある金魚。空中浮遊しているかのような不思議な美しさを発揮していた。映像の美しさは、さすがカメラマン出身監督。独特の世界をしっかり作り上げていたような感じ。
全体を通して椎名林檎の音楽が使われていて、映画の世界観構築に大きく貢献していた。ジャズスタイルの椎名林檎、かなり格好良い。けど、ちょっと映画音楽としては個人的にはあまり好きになれない感じがした。なんというか、音楽の主張が大きいというか。音量も大きめだし、もっと抑えめのほうが映画作品中の音楽としては良いんじゃないかなあと。「ジョゼと虎と魚たち」で音楽を担当したくるりは、その点素晴らしかったと思うんだよな。映画音楽として、控えめながらもしっかり印象に残るというか。アプローチが違うのかも知れないけれど、個人的にはそういう方向性のほうが好きだなあ。
役者の演技とかより、映像美や音楽が気になる作品でした。